これからは陸と過ごそう。
大丈夫。
なにも怖くない…

そう、なにも─…


初雪はその日で止んでしまい、積もることはなかった。
陸との交際は順調に進んでいく。
毎日のベランダでの会話も欠かさず行っていた。
それと、あたしは泣かなくなった。
泣けるときがなくなったと言っておこう。

毎日が幸せで、幸せで…
崩れることなんてないと思っていた。


それと京子のことだが、陸に聞いたら、あたしの勘違いだったようだ。
陸と京子は別になにもない。
京子が一方的に陸に近寄っているだけらしい。

この話をし終えたあとに、陸は『美羽が一番だから』と言ってくれて、一人で嬉しさを噛み締めていた。




…そして、時は過ぎる。冬の季節は終わりを告げ、辺りは春の気配で溢れていた。

桜の木にはピンク色の花びらが咲いている。

今年も春がきた。



心地よい陽気の春が…。