こういう時って少しぐらい涙ぐむだろ?
俺が想像豊かなだけか?

違うだろ?


沸々と怒りが込み上げてくる。
通行人が俺たちを面白そうに笑って見ていく。


美加は相変わらず無表情のままで俺が了解するのを待っているようだ。


嫌だよ?俺。
だって俺たち、まだ付き合って浅いじゃないか。


…そう、俺と美加が付き合いだしたのは中学の卒業式の日だ。
美加はとても目立っていて可愛いと評判だった。
美加の存在は知っていたが、俺は部活に熱中していたため興味はなかった。

サッカー部のキャプテンというプライドもあったし、受験もあったし、告白は全て断ってきた。


そして卒業式の日、いきなり美加に呼び出され、告白されたんだ。

その時、あまり付き合うという行為には興味なかったが、必死に告白してくれた美加を見たら、断ることなんて出来なかった。