『今日から年長さんの仲間だからね、きりん組』
園長先生は笑顔できりんの絵を指差して、あたしにこう言う。
可愛らしく折り紙で作られたきりんの絵が、あたしの不安を少しだけ溶かした。
あたしね?
今もきりんを見ると思い出すの。
近くにはあなたがいるんじゃないかって…
『はい、みんな!こっち向いてー』
園長先生が手を叩き、
同じ制服を着る園児たちがあたしたちの方に注目をする。
『だれー?』
『知らなぁい』
あちらこちらでは、
このような言葉が飛び交っていた。
あたしは俯いて、黙ったまま。
一人は嫌だ。
クマ太を持ってこれば良かったと何度後悔をしただろう。
『今日からみんなの仲間になる高木美羽ちゃんです!仲良くしてあげてね!』
『たかぎ…みう?変な名前ー!!』
ある坊主の男の子が席を立ち、あたしを指差してこう言った。
あたしはその言葉を聞いて、一気に悲しくなる。


