『聞くよ、どうした?』

『これ、見て?』


美羽はハートの欠片のネックレスをぎゅっと握り、もう片方の手で、ポケットから一枚の写真を取り出した。
俺はその写真を見る。

その写真に写っていたものは、少し幼い美羽と、春、そして…俺の知らない男の子が写っていた。

その瞬間…
俺は自分だと勘違いをしてしまう。
勘違いしてしまうほど、自分にそっくりだということだ。


美羽の隣でピースサインを作り、満面な笑みをしている。
その表情は、優しさで溢れている。


もしかして、これが陸?


『これって…陸?』


美羽に確かめると、
首を縦に振って『そうよ』と言った。


陸を初めて見る。
想像していた以上に、似ていた─…


『あたしね…陸のこと小さい頃から好きだったの。いつもあたしと陸と春は一緒だった。一緒がね、当たり前だったの…』


俺は黙って美羽の話を聞いていた…。