ヒカルとも同じ学校。
本当はもう一人いるはずだったのに、もういない存在の彼女。

心の中では『もういいんだ』なんて、強がっている自分がいた。


『な、ヒカル?これ見てくれよ』


めんどくさそうに下を向いて歩くヒカルに、先程父さんから貰った写真を見せた。
ヒカルはそれを受け取り、じっと見つめる。

俺は早くヒカルの感想が聞きたくて、ずっとヒカルの横顔だけを見ていた。

うずうずとする身体。
ヒカルが口を開ける先に、俺の口が開く。


『すげぇだろ?な?』


『…本当すげぇよな、雅の爺さん』


待っていましたよとばかりに、俺はガッツポーズをする。
まるで俺が誉められたようだ。


『だろー?』


俺は自慢気になり、ヒカルの手から写真をぴっと取った。

ヒカルも俺の爺さんが撮る写真が好きだ。
なぜかって?
小さい頃からよく祖父に見せられていたらしい。物心つく前はたいして興味がなかったのだが、成長していくうちに、俺と一緒でその写真に夢中になったというわけだ。