父さんと鏡越しで目が合う。
にこっと笑う父さんに、心が揺れてしまう。
父さんは…幸せ?
なんて質問したら、必ず彼はこう答えるだろう。
幸せだ、と。
『なぁ、父さん?俺、恋出来るかな…』
視線を下に落として、弱音を吐く。
突然、父さんの動きは止まり、俺の耳元で囁いた。
『大丈夫。雅なら大丈夫だ。ほら見てみな?かっこよくなっただろ?』
父さんに言われた通り、俺はもう一度鏡を見た。そこには数分前までの俺は居なかった。
鏡に映る自分が別人のようで─…
心臓が高鳴る。
『すっげぇ…』
『お前は一人じゃない。爺ちゃんだってついてるだろ?』
父さんは天井の青空の写真を見てこう言った。
俺は一人じゃない─…
…でもキミは一人だと思っているようだね─…
数時間後、俺は運命的な出逢いをする。
一生忘れることのない、キミとの出逢いを─…


