美羽も喜んだよね?
きっと─…



『なぁ?陸。何でお前…死んだんだよ…美羽を一人残して…答えろよ…』


返答なんてそんなものあるわけないが…質問をしてしまう俺がいた。
空が近いようで─…
ここからだったら聞こえそうだから。

だから美羽はここから空を見上げるのかな?


陸に近いから─…
多分そうだよね…

グラデーションになっていく空を見つめていると、ポケットに入っていた携帯が突然震えだした。一定の速度を保って、震える携帯。


『誰だ?』と思い携帯を開くと、どうやらメールが受信されたようだ。
その差出人は、ヒカル。
内容はこうだった。
『今すぐ教室に来い』
絵文字すらない文字だけのメール。

俺はそのメールに従って、屋上を後にした。


ヒカルの言われた通りに教室に行くと、そこにはただならぬ空気が漂っていた。


教室には…ヒカルともう一人。


嘗て愛した女性…美加だ…


俺はドアに隠れて二人の様子を伺う。




『ヒカル、答えは決まったの?』




『決まったよ、美加…』



燃え上がる女の欲望。
でもヒカルは冷血だった─…