見覚えのあるネックレス。
それもそのはずだ。
これは美加とのペアネックレスだったものと同じものだから。
だけど俺の物ではない。俺のネックレスは、美加に渡したから。

それともうひとつ。
このネックレスには男用と女用で色が違う。
男用はゴールド。
そして女用はピンクゴールドなのだ。

俺が拾ったものはピンクゴールド。
ということは女のものということ。


『誰のだ?』


また新たに分かったこと。
それは、ハートの部分を裏返した時に分かった。傷だらけのハート。
裏側に、傷でよく見えないが確かにこう書いてあった…
英語で『riku』と。

それを見た瞬間、俺の心臓は大きく動いた。
これは美羽のものだ…
きっと美羽が落としたのだ。
いや、違う。
間違いなく美羽のだ…


俺と美加のお揃いのネックレスは、
美羽と陸のお揃いのネックレスでもあったのだ。