その言葉に、ひどい恐怖感に襲われた。
『似すぎている』と春が言った言葉が深く胸に突き刺さる。
鋭いナイフで刺されたよう。
頑張って抜こうとしても今は無理だろう。

体全体に力が入らないから─…
脱力感が恐怖感と同じくらい俺を襲った。


すると風が強くなり、公園の桜の木が五月蝿い音をたてて暴れ始める。
まるで誰かがわざとしているように…


『似すぎて…る?そいつは?そのりくって奴…今どこにいるの?』


一度でいいから会ってみたいと思った。
どれくらい似てるのか知りたかったから…


『…陸は…』


春はこの先の言葉を言わなかった。
急に黙ってしまったのだ。
相変わらず悲しい表情を浮かべて。


『どこにいるんだよ?』

もう一度、春に問いただす。

聞きたいんだ。
美羽が俺を《りく》と呼んだ理由を。




『…─お願いだ…美羽を苦しめないでくれ…』