Rainy-Rainy

何時もの待ち合わせ場所。

自宅のマンションを出てすぐ目の前の、電柱。

そこに、よく見知った顔が二つあった。


一人は、肩位までの金髪で、私以上に目付きの悪い女の子。

鞄を持った腕を肩に掛け、余った片方に煙草を燻らせている。

見るからに、不良と言った風体だ。


もう一人は背が高いけれど、華奢な体付きの眼鏡の男の子。

少女とは正反対に、制服をキッチリと着こなし、何やら難しそうな本に集中している。


こっちは見るからに、優等生然としている。


誰が見たって、全く方向性の違う二人だけど、一つだけ共通している所がある。

それは、二人の空気。

少女の方は見た目で、少年の方は仕種で、他人を寄せ付けまいとしている。


「おー、やっと来たかぁ」


先に気付いた少女が、関西弁鈍りで声掛けて来た。

それから煙草を投げ捨て、私の方に寄って来る。