お…おばちゃん?


いや、そっか。

先生の生徒じゃなかったんだから、当然か。


「嘘ってワケやなさそうやな」


マジマジと俺を眺めて、ニヤ〜っと顔を歪める。


「恭兄、顔赤過ぎ」

「っ……ほっとけ」


くそ。

バカが取り得の千鶴に弄られる日が来るとは。


「だから、その、あいつが先生に似てるから、何となく…放っとけないんだよ。勘違いすんなよ。やましい気持ちなんて無いぞ!」

「ふぅん」


疑わしいのか、値踏みするように俺を見る。


「まぁ、恭兄やもんな」


千鶴は百円ライターで煙草に火を付けながら、白い歯を覗かせてニカッと笑う。

ラッキーストライク。

俺の真似で吸い始めた煙草だ。


本当なら注意しなきゃならねぇんだろうが、こいつの事だし、どうせ聞く耳持たないに決まってる。


「静香が、恭兄みたいなんに騙されるワケないしな」


騙さねぇ、と言いたいが我慢だ。

ここで言い返すと、また話がズレる。


「ええよぉ。何聞きたいん?」