-Kyosuke-



「座れよ」

「ん、おぉ」


部屋に通すと、千鶴は勝手に、散らかった床にスペースを作って腰を下ろした。

俺は、その姿に呆れ返った。


「膝立てて座るな、馬鹿」

「別にええやろ。一緒に風呂入った事もあるんやし、今更気にする事ちゃうて」


いつの話してやがる。

本当あの頃の、あーぱーのままだな。


「んで?……ふーっ、話って?」


タバコを吸い始めた千鶴の前に、灰皿を差し出す。

既にいっぱいだった灰が零れてしまったが、まぁ元が汚い部屋だ。

別に構いやしない。


「静香について教えろ」

「さぁ、学校いこか」

「おい!」


いきなり立ち上がった千鶴の腕を引いて座らせる。


「あからさま過ぎるだろ」

「ちっ……静香の事で話あるって言うから残ったんや。教えろてなんやねん。悪いけどなぁ、そんなつもりやったら何も話す事ないで」

「んなつもりって、お前また勘違いしてんのか」


ちっ。

これだから、餓鬼だってんだ。

なんでもかんでも、色恋話に持っていきやがって。