Rainy-Rainy

シャワーを浴びてから、部屋に戻ってすぐに支度を始める。

もちろん学校に通う準備ね。


「忘れ物は…、教科書あるし、携帯あるし、あ、財布だ」


財布がないと、お昼が食べられない。

あ、そういえばシャンプーが切れてたから、帰り買ってこよう。



私が通っているのは、特に筆すべき特徴の無いどこにでもあるような学校。

名を咲芽高校という。

生徒数は五百人強で、大半が進学組で、残りが就職組に別れている。

それなりに進学校だったりするけれど、他には本当に何もない学校だ。

私はその学校の二年生で、一応は進学を目指している。


「そんな事より…」


あぁ、まずい。

よくよく考えてみれば、今日から夏服に更衣だったっけ。


「さすがに目立つ……よね」


制服に袖を通し、鏡の中の自分を見る。

上下が一対になったワンピース型の半袖のセーラー。

その制服自体は悪くないんだけど…。


そこから覗く腕や足に、人目を引きそうな殴打の跡がある。

昨日までは袖で隠せてたけど、今日からはそうはいかない。