Rainy-Rainy

キィィーーーーーン……


「ひっっっ!?」


こ、鼓膜が裂ける。

このアマ、耳に向かって遠慮なく絶叫しやがったよ。


「っ〜〜、ていうか何で俺のせいで、お前が怒られるんだよ。ワケわかんねぇだろ」


耳を押さえて悶絶していた俺は、やっとの事で体を起こし、意味の分からない責任を押し付けた遊里を睨んだ。


全く、遊里も困った奴だ。

勝手に人のせいにして、理不尽に暴力を振るうなんて。

こいつは、説教しとかないとな。


だが、遊里はぷくっと頬を河豚みたいに膨らませて、ますます怒り心頭の様子。


「俺、そんな怒らせるような事したか?」

「何言ってるの、恭ちゃん!私のレポート丸写ししてたでしょ!いつの間に写してたの!?」


………。

……。

…。


「……ひゅ〜♪」


グシャッ!


嫌な音がしたなと思った。

ゆっくりと視線を下に向けてみたら、股間に遊里の爪先がめり込んでいた。


「ぎっ…て…てめ、そこ…蹴っ」


蹴られた部分から鈍い痛みが内臓を伝って、脳天に抜ける。

胃の中の物が押し出されるような、強烈な不快感に目尻に涙が滲んだ。


「答えなさい、恭ちゃん!」

「おっ…ま、答えっ…ら」


遊里は、生涯どれほどの痛みか知るはずも無いから、さっさと答えろと強要してくる。


なんて、無茶な注文だ。

今の俺は痛みで、言葉どころか、まともな悲鳴すら出ないのに。