「ごめん」


二人がいなくなって、雨の中に一人取り残された私は、そう呟いていた。

雨音に掻き消されて、自分にも聞こえないくらいの声で。


本当は、家まで送ってもらうのも悪くは無かったけど。

でも、ちょっとだけ、今日の私は普通じゃないから駄目なんだ。

多分、あれ以上一緒にいたら絶対心にも無い事言っていた。


……いや。

心に有る事、か。


「は、駄目だな。本当疲れてるみたい」


どうしようもない位変な事、考えてる。


二人の事が、親友の事が面倒だなんて。

そんな事、思うはずない。

だって、私は二人のことが大好きなんだよ?


「……っ」


湿気を含んだ眼帯が気持ち悪い。


駄目だ。

さっさと夕飯の買物をすませて帰ろう。

そうして、早く体を休めた方がいい。


そうすれば、きっとこの嫌な気持ちも全部、雨と一緒に流れてしまうだろうから…。




†††††