ぎこちない空気が辺りをし始めた時、タイミング良く休憩を終えるチャイムが鳴った。


助かった、と私は内心胸を撫で下ろす。

今の空気は苦手だ。

あからさまなまでに嫌な話題を避けようとする二人を見ていると、心が痛い。

私の為というのは分かっている。

けど、そんな事の為に無理に楽しい話をするのなんて、歪つな関係じゃないだろうか。


(だから、助かったって思うのかな……やれやれ)


自分の汚い部分を、心の中で自嘲する。

私を思ってくれる二人を迷惑がるなんて。


「静香?」

「え、何でもっ…ないよ」


ジッと私を覗き込んできた千鶴に対し、愛想笑いを返す。

言えるはずがなかった。


もう、こんな事やめにしようなんて。


私なんかに、言えるはずがなかったんだ。