Rainy-Rainy

「お前は犬か」


私の手の上から更に抑え込んだ桂くんは、吐き捨てるように言った。

てゆか、桂くんの手冷たい。


「辺り構わず吠えて、噛み付くな」

「むがっ……うるさいわ!阿呆!」


私達から離れて、千鶴は犬がぐるる…と唸るように威嚇する。

わー、ホントに犬みたいだ。

まぁ、チワワみたい小型犬ならまだ可愛げもあるんだろうけど、千鶴の場合はドーベルマンとかがいいとこだろう。


「お手」

「わんっ!……て、静香まで何でやねん!!」


おお。

さすが元関西人、ノリがいい。