Rainy-Rainy

桂くんの挑発に、千鶴がキレた!


「しばく!」

「やってみろ、阿呆が」


ああ、また始まった。

毎朝恒例の喧嘩。

まぁよくも毎日毎日、飽きもせず続けられるものだ。


ていうか、朝の往来で喧嘩するのはやめて欲しい。

老若男女いろんな人達に見られて、一緒にいる私まで恥ずかしいんだけど…。


「もう二人とも!遅刻するよ!」


「…む」


桂くんは千鶴の拳を受け止めて、気まずそうに頬を掻いた。

通勤のサラリーマンや通学途中の学生が、足を止めて見ている。


「ア?コラ、何見とん……むがっ」


噛み付こうとした、千鶴の口を慌てて押さえる。