恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~

その担任は、しょっちゅうレクレーションと称して、皆にドッジボールをさせた。

実質は威張っている連中が、おとなしい子に対して苦痛を与える、公認のリンチである。

由貴は毎回力任せにボールをぶつけられた。

でも由貴は一度も泣かなかった。

正直、いじめられるから学校に行きたくないと親に言ったら、

「どうせあんたが悪いんでしょ!
先生にもっとビシビシ厳しくして、言うことをきかなければ殴ってやって下さい!って言っておいたからね!」

由貴は言い聞かせた。

こんな小さな狭い集団だからこんなふうになっているだけだ。

中学にあがれば三校が一緒になるから、きっと皆いじめたりはできない!

ちゃんと正義がわかる子が出てくるから、私は一人じゃない。

それを信じ続け、小学校は無事に卒業できた。