由貴は家の都合で、生まれた町を引っ越した。

産業豊かな町とは裏腹な、片田舎に由貴の両親は家を建てた。

その転校先は、漁師町と山と里が寄り集まった地域だった。

方言もきつく、由貴はなかなか言葉に慣れなかった。

その言葉にも慣れてきた頃、クラスでいじめられていた、一見顔の骨格がめだって、性格が卑屈な女の子二人を由貴は助けた。

由貴は鍵っ子な少女時代、ガキ大将で正義感が強かった。

ところがいじめの標的が由貴に変わった。