恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~

目の前に速水がいた。

駆け寄って来て、雨の中優子を抱きしめた。

「会いたかったよ……。」

「やめて……。
離して。」

近所を気にして優子は通りまで出た。

パジャマの上に薄いレインコート1枚で、車に乗せられ、走りながら速水の話を聞いた。

優子の気持ちはもう揺れなかった。

「さよなら……。」

そう車を降りる優子を速水が追って来た。

壁に優子を押し付け、無理矢理に事を成そうとした。

「誰も来やしないよ。」

「離して。
もう近所の人が通るのよ!
私はここで生活してるの!」

逃げ出した。