まだ幼さの残る優子は、俗にいう団地妻であった。

確かに団地は集合住宅だから、スキャンダルも目立つ。

でもそれだけなのになと優子は思った。

「ねーねー。」

隣の棟に住むミキがさっそく情報を提供しにきた。

「あなたが苦手って言ってたあの人、営業マンと駆け落ちしたって!」

『ええっ!?
ほんとの話?』

どうもほんとらしい。

テレビのような話が本当にあるんだな……。

優子の旦那も浮気をしていた。

していないと言うが、相手が時々乗り込んできたり、電話してくるのだからどうしようもない。

その悩みを、優子はミキに話していた。