ある日エレベーターで二人きりになった。

いきなり何を思ったか、所長が百合のたわわな胸にキーホルダーつきの鍵を投げて乗せようとした。

『……!
何なんです?』

「ごめん、なんだかやりたくなっちゃって。」

『もうっ!
わけがわからない事しないで下さい。』

後になれば、所長も男で胸のユサユサに誘われたのかも知れない。

そんな時、家庭の都合で、百合が転職しなければならなくった。

もうはっきり決まっていたのだが、ある夕暮れの事、百合が所に戻って来たら所長しかいなかった。

所長はいきなり百合に近づいて、百合に言った。

「ほんとにやめるのかい?」

『はい。やめたくないのだけど。』

その時、他の営業所にはたくさんの人が残っているのに、いきなり所長が百合を抱きしめた。

『やめないでくれよ……。

やめないでくれよ……。』

「所長……」

百合はじっとそのままでいた。