恋の破片(カケラ)~ラブ&ピース~

少し目の薄い、年をとった和服の黒岩先生が上座に座る。

「ひとつ、茶の湯とは~!

はい、皆続けて。」

先生に続き、皆が扇子に書かれた文字を見ながら続ける。

扇子には利休百首らしきもので、色々な知識や心がけが書いてある。

皆の扇子は白だったが、詩織はお茶のお道具屋さんでピンクも手に入れていて、皆にうらやましがられていた。

「さて、今日のお花ですが、皆、お茶の花は、野にあるごとく肥臭さないように…!
それがあれば決まりはありません。
自由に生けてよろしい。」

皆が神妙な顔をして聞いている。

「それでは、順番に入り口から入る所から!」

皆が一人ずつ入って来る。