何故大人ぶってしまうのかな?

何故強い女を演じてしまうのかな。

二度程カズシの部屋近くに足を運び、幻の恋の終りを自分に刻みつけもした。

そうしないと沙耶の中で終れないからだ。

「槇原君が好きな男に悪いヤツはいないなんて、嘘ばっかり。」

キンモクセイのむせるような香りを運ぶ風の中で沙耶は一人泣いた。