沙耶は小さい頃から女王肌だった。

沙耶の生まれもってのそのオーラに、男の子も女の子もかしずいた。

「ねぇ、沙耶ちゃん、今日僕んちに遊びに来てくれる?」

「えー……?
どうしようかな~。」

「お願い!」

と、拝まれ、

「いいよ、行ってあげる。」

と、約束したのに沙耶は、つい他の友達との遊びに夢中になりすっぽかしてしまった。

翌日、その男の子が飛んできてこう言った。

「沙耶ちゃんどうして昨日は遊びに来てくれなかったの!?」

「気が変わってから忘れてた。」

こんな調子だった。