キスに恋して…2

ただの喧嘩ってわかってるけど素直になれなかった


「そんなのわからない」


「楓…」


敏之と私は沈黙のまま、ひたすら長い距離をひとつの車の中で過ごした


「ありがとう…じゃ」


「楓…」


今日は挨拶のキスなんてしたくない


私はそのまま車から降りて振り返ることもせず、歩いて帰った


私の姿が見えなくなるまで敏之が見ていたことにも気付かなかった