これが合図のように、彼女は座っている位置を少しずらし、空いている部分に俺が座る。 2週間前ぐらいから、こうやって話しをする機会が増えた。 『やっぱ無理なんだよな』 「昨日はあたしの知ってる限りでは1番気合いが入ってたから、来ないと思ったのに」 『…俺も、そのつもりだったんだけどな』 少し嘲笑うように発してしまった言葉は、だんだんと消えていくように小さくなっていく。