「浩一、買い物付き合って♪」


彼女が、勝手に俺の部屋に入ってきて、俺の体を揺らす。


「はぁ~?お前何考えてんだよ。こっちは寝てんだよ・・・。」

「そんなに寝てるとミイラになっちゃうよ?」

「馬鹿じゃねぇの。」


そう言って、俺は布団をかぶる。


「浩一~。買い物ぉ~。」


彼女は俺の布団を引っ張る。



これがいつもの日曜日の朝だ。

こんな日曜日が、俺は好きだったりする。


こうして千里が俺のそばにいて、

俺を必要としてくれてる。

(どんな理由であっても・・・。)

それだけで俺は、幸せを感じることができるんだ。





「しょうがねぇなぁ~。」


そう言って、体を起こす。

すると目の前には、あいつの笑った顔があるんだ。


「やった。浩一大好き♪早く行こ!!」


いつもこの台詞。


『浩一大好き♪』


お前はそういう意味で言ってないんだろうけど、

俺はその言葉に少しドキッてしちまうんだ。


分かってるのに。

こいつは俺のことなんて
ただの弟だと思ってるって。


自分では分かってるのに、


なのに、

心のどこかで期待しちまうんだ。


お前は俺を好きなんじゃないかって・・・。