「ああ、彼女。」



皆さん、ごめんなさい。


彼氏ではないです。


あたしの片思いです。


片想い歴11年です。



実はかずちゃんは
中学の頃からモテ始めて
たくさんの女の人と
付き合ってます。

(あたし以外と。)



「ねえ、何人目?」


「忘れた。」



帰ってきたのは
素っ気無い言葉だけ。


でもあたし知ってるよ。


24人目だって。



彼女が出来るたびに
連れてきて紹介するんだもん。



あたしはかずちゃんと
2人きりで行きたいのに!!



「こっち、
彼女の橘 沙羅〈タチバナ サラ〉」


「・・・はじめまして。」



紹介された人はストレートの黒髪。


スタイル抜群。

そして、色白の透き通る肌。


八割の男達は
キレイと言うに決まってる。



「は、はじめまして。
水谷 琴乃です。」



ブスッと軽くふて腐れていた。



「かずちゃん、
あたし先に行くから。バイ。」



怒っている。


顔に完璧に表れていた。



「・・・何、怒ってんだ?」