「・・・おい、」


「おい、琴、起きろよ。」


「起きろって!!」



頭の上から
彼の低い低音ボイスが聞こえる。


目をこすりながら起き、
大きく欠伸をする。



「相変わらず、でかい欠伸。」



その言葉で目が冷め切った。



「かずちゃん!
また勝手に入ってこないでよ!!」



寝癖のついた
ボブヘアーのちっちゃな少女は
眉を寄せて
軽くポカスカ叩いている。


その少女ことあたしが
水谷 琴乃〈ミズタニ コトノ〉。



そしてこの起こしに来た
長身の黒髪は
隣に住む幼なじみの
山本 和哉〈ヤマモト カズヤ〉。


通称『かずちゃん』だ。



「おい、早く着替えろ。
二学期初日から
遅刻するつもりか?」



なんと時計は
7時半を指していた。



「ヤバイー。
ちょっと外で待っててよ!!」


「おう。」



急いでブレザーに着替える。


そして、全身鏡で
身だしなみチェックをする。


あっ!

ここ跳ねてる。