私は直哉が新しい一歩を踏み出せるように、泣かないと決めていた!


泣いたらお互い、寂しくなる


私は涙を堪えていた


電車がホームに入って来た


イヤだ!直哉…


行かないでよ…


心の中で叫ぶ


直哉は私の手を強く握り、引き寄せた


「ごめん…我慢出来ねえ」


直哉に強く抱き締められ、気付いたら涙が溢れていた


「直…哉…」


私も直哉を強く抱き締めた


「行くから…」


そう言って見つめた直哉の目には溢れんばかりの涙があった


初めてみた直哉の涙