キスに恋して…1

「ほら…楓、動揺してる」


口を開いたのは亜矢だった


「動揺なんてしてない!」


「葵〜さすがに楓を試すのが上手いね!」


亜矢は機転の利く子だから咄嗟にそう誤魔化し、楓に見つからないように、葵にウインクをした


「私の芝居、上手かったでしょ?ね!楓はまだ良平が引っ掛かってる!」


「そんなことして試さないでよ!」


私は試されたことよりも、私の中に良平がまだ引っ掛かっているという事実の方が、ショックだった


もう何とも思っていないのに…


私には直哉だけなのに…


「楓?ごめん」


二人は謝った