キスに恋して…1

『また貸すぞ』


『また貸してね』


こんなやり取りをした私


あの光景が鮮明に蘇る


私は頭を軽く振って直哉の腕に絡ませた腕に力を入れた


直哉は何も言わない


今の私が何を考えているか知らないから…


私は直哉といるのに直哉じゃない、良平のことを考えている


それはいけないこと…


私は良平じゃなく直哉を選んだ