その夜、姉さんが住まわせてもらっているというその食堂の裏のヨシおばあの家でわたしたちはご飯を食べた。
いろんな話をした。わたしと先生が今ここにいるのに至るまで。父や母や弟のこと。また、姉さんと柴田さんの話もたくさん聞いたし、先生が高校のときの3人の話も聞いた。
保育園から帰ってきた、姉さんの子供もいた。ひかりちゃんという、かわいい4歳の女の子だった。
ひかりちゃんを抱き上げたとき先生が「おっ、夏実ちゃん、おばちゃんだね」といったので、とりあえず太ももをつねってやった。姉さんは笑っていた。
「必ずこの子の顔見せに、そのうちいっかい帰るから」
泡盛で少々顔を火照らせながら、姉さんは確かな瞳で力強くそう約束してくれた。