わたしの思った通り、先生はついてきてくれるといった。
キャバクラで貯めた貯金もあるし、なら、今すぐにでもいける。しかしそんなわたしに、先生はいったのだ。
「ただし、ちゃんとご両親にことわってだ」
わたしは大いにそれを嫌がった。そんなこと、いう必要ない。あのひとたちだって、もうわたしに失望してるから、どこへ行こうとかまわないはずだって。
だけど先生はゆずらなかった。
「だめだ。行くんなら、事情をぜんぶ話してからだ。大丈夫、俺もついてるからさ」

そうして今わたしたちは、ここでこうしている。
両親はじっと、黙ったままだ。
「まず、紹介します。このひとがわたしのもと担任で、もと店のお客で、現恋人です。そして、姉さんの昔の友人です」
口に出して改めて、すごい関係だよなと思った。もっと言葉を選べばよかった。でも、もう遅い。
わたしは覚悟を決めて、今までのことをひとつひとつ、話しはじめた。