ホームルームの時間はすっかり先生とのおしゃべりの時間に変わり、先生は明らかに、生徒に受け入れられていた。
わたしはそんな光景に入ることなく、ただぼーっと眺めていた。
すると突然、
「南野さんは買い物とかどこに行くの?」
何を思ったのか、先生がわたしに会話をふった。
「えっ、あ…」
わたしは思わず顔を隠すようにしてうつむいた。
「…適当に、です」
なんとかそれだけ返事をした。
生徒たちがなんであの子なんかに話題をふるかなぁ、って雰囲気を出したのが、すぐにわかった。
「そっかぁ」
先生は何気ない調子でまた他の生徒たちと会話を再開していた。
一体なんだったのか。