「此処……いいか?」

 「どうぞ」


 顔もあげずに答える。


  カリカリ …… ……


 「うーんと……」


 問題集と参考書を代わりバンコに見つめる。


 「何が解んねぇの?」

 「えっ!?」


 突然の質問に顔をあげ、漸く目の前にいる人物を把握した。


 「問題につまずいてるみてぇだし、俺でよかったら教えるよ?」

 「ありがとう」

 「その代わり、お礼はちゃんともらうからな」

 「えっ、お金取るんなら一人で頑張るよ」

 「金なんか取らねぇよ」