あっという間に時間は経ち、園内の人も疎らに。 どうしよう…… 「疲れた?」 もう、ここも閉まっちゃう 「いえ……今日は楽しかったです」 「俺も♪」 伝えなきゃ…… 烏が頭上を飛んでいく。 空を見上げると一美の声がそこにいるかのような錯覚に陥る。 『柚朱~、ちゃんと伝えるんだよ?』 うん 『嫌だからね、アンタの幽霊化に付き合うの』 だよね 『応援してるからね』 うん、頑張る 昼間の温かさはすっかり無くなっているのに、手の中が汗ばむほど握り締めていた。 ・