先輩の横顔を気付かれないように、そっと見上げる。

 ボールを追いかけている時とは全く別の顔。

 急に先輩が視線を投げ掛けてきた。


 「ユズちゃんは何が好き?」

 「えっ!?」

 「乗り物。」


 あ、乗り物ね


 「絶叫系ならなんでも大丈夫です」

 「そっか♪ じゃ、廻れるだけ廻ろうっか」

 「はい」


 先輩……その優しい顔は反則です。

 私……誤解しちゃいますよ?