「……ありがとう♪ やっぱり来てくれたんだね」


 あんな紙きれ見せられたら来ざる得ないだろう?

 俺が姿を現すなり、いきなり飛び付いてきた。


 「五十嵐……さん…離してくださいよ」

 「んもぅ、少しくらいいいじゃないの?」

 
 少しでも嫌なものは嫌なんです。

 むくれながらも、離れようとしない。


 「皆、遅いですね?」

 「そうね、時期来るわよ」


 暑苦しい、早く離れてくれ。


 「あぁ!! 夏木ズルいぞ俺に代われ!」

 「勝手に代わって――」


 東條の声に振り返ると同時に言葉を失ってしまった。