「先輩……卒業…オメデトッス」

 
 最後は聞き取りにくかったが、また今までの様な距離間…とはいかないだろうが、少しだけ戻れただろうか?

 ケンは、空を見上げ、相変わらず両手をポッケに突っ込んだままだ。


 「先輩、俺……諦めたわけじゃないですから」

 「……」

 わかっているさ


 「先輩が柚朱を悲しませたりしたら…その時は、柚朱を頂きますよ」

 「安心しろ、彼女を絶対に悲しませないし、お前が出る幕もないから(笑)」

 
 絶対にそんな事させないから


 「その言葉、しっかり覚えてますからね(笑)」


 俺達は互いの拳をぶつけ合う。


 ケン……