朝が…来た。 椎名がどう感じているのかは解らないまま 俺は椎名の家を後にした。 何も言えなかった。 何を言っていいのか解らなかった。 俺が何を言えるってんだよ。 こんなふうに ほぼ、その日初めて会話したような女と 関係を持つ事なんてありえなかった。 いくらこんな俺でも。 だけど 確かに俺は… 椎名と抱きしめ合ってる瞬間 “幸せ”だって 思えたんだ。 そんな感情は 初めてだった。