俺達二人は、まるでそこにいない人のように ただ黙って周りをボーッと見ていた。 ……俺、何してんだろ。 だけど、あの騒ぎの輪の中に戻ろうとは思わなかった。 「ここ、出ない?」 気付いたら、俺は椎名にそう言っていた。 当然、椎名は驚いてる。 ……俺自信も。 「なんかさ、つまんねぇし。出よ?」 椎名から出た言葉は 「…いーよ」 俺達は誰にも告げず 店の外へ出た。