アイツは確か… 椎名 歩 フルネームで覚えていた自分に少し驚きながらも、 同時に、椎名に興味が沸いた自分がいて。 しばらく眺めてた。 椎名の所に度々友達らしき女達がやってきては、何かを話したりしてる。 時折、微かに笑いながら。 なんだ。笑えるんじゃん。 “笑う”と言うには大袈裟かもしれないけど、 そんな椎名に安心を覚えた自分がいた。 結局、椎名はその場所を離れる事はなく。 一人になると相変わらず、つまんないって顔。 だんだんおもしろくなってきた。