授業が終わって、帰る子や部活の子が慌ただしく教室を出ていく。 「歩、バイバイ」 「うん。バイバイ」 クラスの子達と挨拶を交わしながら、あたしも席を立った。 今日はきっと湯川は来ないから。 何の根拠もないけど。 あたしはまた あの大きな空洞のような家で 一人、朝になるのを待つだけ。