あいつには、見せた事ない。



怖がらせないように、
いつも優しく接してた。


黙って逃げようと思ったのか、
走り出す明依。




悪いけど、逃がす訳ねぇし。



「待てって。」



やべ。

そう思ったときには…
もう、遅かったんだ。


「…昨日のメール、何?」

絵文字もなにもなかったんだ。

いつもは、可愛い絵文字とか、
それに…昨日のは、短すぎる。


明らかに様子がおかしかった。



「べ…つに…」


震えた声。