外にでてみると、あたりはもう暗い。 大津駅は僕の想像より、栄えていた。 きらめくネオンが殿の整った顔を映す。 「あぁ、ここが、琵琶か。 千年後にはえらく変化してしまっていいるのだな。」 殿があたりを見渡しながら、つぶやいた。 「殿、そっか、平安時代にはこんなのないもんね。」 そう言って、僕がたまたま見上げた明るい看板は、 パチンコ屋のもので、「パ」の字の電気が切れていた。