すると、石田君は完全に外気をシャットアウトしてしまっていた。


 僕が恐る恐る話しかけてみると、


「オレ、マジ、帰るわ。」


 と、3000円をおいて去って行ってしまった。


 浅岡のほうも、石田君には軽く手を挙げただけで、


 何もしない。


 僕は勝手に、少し気まずくなってまた、殿のほうを見た。





「ねー殿様ゲームやろうよー!」


 と、ヤエちゃんが応援団みたいなでかい声で言った。


「いいね、やろうか」


 と、浅岡がへらりと笑いながら、


 みさとちゃんとかなでちゃんに


「ペンある?クジ、一緒つくろうか?」


 と、また3人で楽しくやっていた。







 ?






 ヤエちゃん、


 殿様ゲームッて言った?


 浅岡もつっこまなかったしな・・・。


 王様ゲームじゃないのか?


 それとも、ここでは殿がすべての決まりなのか?


 僕は悶々としながら、


 ビールを飲んでいた。