そのとき、リビングにもうひとり入ってきた。
その姿に私は驚いた。


   こわい系のドラマに出てくるひと

突然みんなが立ち上がって
その人に向かって
大きな声で挨拶をした。


あっけにとられてる私を見つけて
その男は近づいてきた。

   こ・・・こわい・・・・


「なお、またウブ系連れてきたな~
女か?」

「なおの初恋の女だって~」
さっきの女がしなだれかかって言った。

その男は私をなめ回すように
上から下までみた。
そしてニヤニヤした。


「俺、気に入ったわ。
なお俺にくれるよな?」

「いや、無理です。
こいつは普通の女じゃないし
だめです、絶対!!」

話がまずい方に向いてきてるのを予感した。

「なお、俺に逆らっちゃダメなの知ってる?」

「もちろんです。
でも、こいつ兄貴のタイプじゃないし。
俺の好きな女だから
勘弁してください。」

兄貴と呼ばれた男は
直樹を殴った。

「やれ!!」

周りにいる仲間に命令した。
仲間たちはためらっていたが

「やれって言ってんだよ~
聞こえねーのか?」
ドスの聞いた声で言い放った。